翻訳:丹原成子
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今、Snapchatは日本でも注目を集めている。特にここ半年で、「Snapchat」という言葉を耳にすることが増えたように感じる。ただ残念なことに、企業のマーケティング関係者をはじめ多くの人が、Snapchatについてわからないことばかりで誤解していることも多い。


誤解1 若者向けの写真・動画共有アプリ

かわいいスタンプや特殊加工した写真や動画を、オンラインで共有して楽しむ多くの若者たち。そんな印象のあるSnapchatは、オトナには関係ない、単なるおもしろアプリと思われている。 しかし意外なことに、Snapchatユーザー数が最も多い年齢層は中高生ではなく、18~24歳。続いて、25~34歳にユーザーが多い。 世界のソーシャル・ネットワーク利用者層と比べると、やや若い世代が多いが、アプリを駆使する、このミレリアム世代は、多くのアプリでビジネスを成功させたい多くの企業ターゲット層とピッタリ合っていると思う。 SnapchatのUIは、当初オトナ受けを狙わないものであったが、これまでのソーシャル・ネットワーク同様、いずれ年齢層は上がっていく。 振り返ってみていただきたい。Facebookも、かつては大学生だけのためのSNSだったことを。

誤解2 24時間で投稿が消えるのは早すぎないか?

たった1日で投稿が全部消えてしまうのはあまりにも短すぎる、という人もいる。 しかし、Snapchatの「ストーリー」はタイムラインで埋もれてしまうようなことがないため、フォロワーはより余裕を持って見ることできる。投稿内容が閲覧されるのは、Twitterは投稿から数分、Instagramでせいぜい数時間と言われている。 フォロワーは好きなタイミングで見返すことができないからこそ、Snapchatの「短命さ」は、ユーザーが閲覧する機会を与えている。 (最近のSnapchatには「メモリ」機能が加わり、「メモリ」からSnapchatに再度アップすることができるようになったが、それでもフォロワーはアップされるまで投稿を閲覧できない) 多くの人がFOMO (Fear of missing out: 取り残される不安) の症状を抱える昨今、Snapchatのコンテンツは1日で消えてしまうからその前に見ておかないとと考えて、1日に30分はSnapchatに費やす人が多い。Snapchatをやっているある大学の関係者は「Twitterでつぶやくと、5500人いるフォロワーのうち1000人くらいが読んでくれるだろう。Snapchatに何か投稿すると、2000人のフォロワーがいるとして、1900人が閲覧してくれる」と話す

このことから、Snapchatで「その日だけのストーリー」を発信することが、企業にとって、大きな宣伝効果を生むと考えられるのではないだろうか。

Twitterの場合、投稿内容が閲覧されるのは投稿から平均18分以内。(調査元:Moz)

Twitterの場合、投稿内容が閲覧されるのは投稿から平均18分以内。(調査元:Moz)

誤解3 Webサイトに飛ぶリンクがないからマーケティングにおいて価値が無い

Snapchatは完全にクローズドなSNSとも言える。外部サイトへのリンクは貼れない。しかし、このクローズドな環境こそ最近のトレンドとなっていて、Facebookもその方向にシフトしつつある。 例えば、「インスタント記事(Facebookが2015年5月に発表した新機能。アプリ内で記事閲覧ができる)」や「キャンバス広告(2016年に発表された新機能。Facebookから移動することなく全画面でインタラクティブな広告表現が可能に)」などが新たに登場している。またFacebookではFacebook内で投稿された動画をより表示されるようなアルゴリズムにしている。 Pinterestにおいては、Pinした写真をみて、商品検索から購入まですべてPinterestアプリ内で行えるサービスをローンチした。

Webサイトにリンクさせられないのは、看板広告、テレビCMや印刷物なども同じだが、どれも企業がこれまで利用してきた非常に重要な広告だ。どんなマーケティングにおいても言えることだが、マーケターは「百聞は一見にしかず」を実践すること。とにかく、まずは自分で見て聞いて触れて、体験することが何より大切だ。 Snapchatのコンテンツ消費率は驚くほど高い。10本の「ストーリー」を最初から最後まですべてみるフォロワーは85%もいる。 企業は、Snapchatに合った自社にまつわる、興味深いショートストーリーを生み出すことが大事だと考える。日本に再上陸して間もないTaco Bellは、世界的にSnapchatを活用している企業の代表例だろう。

企業のSnapchatの「ストーリー」の閲覧率が高い。フォロワーの85%は5~10本の「ストーリー」を最後まで見ている。(調査元:Snaplytics)

企業のSnapchatの「ストーリー」の閲覧率が高い。フォロワーの85%は5~10本の「ストーリー」を最後まで見ている。(調査元:Snaplytics)

誤解4 使い方が難しそう

Snapchatは、まさにSNSのパラダイムシフトを起こしているのかもしれない。Snapchatは「情報化時代」から「体験型時代」への変遷を象徴するサービスとさえ言われていて、キュレーションというよりは、視覚に訴えかけることに重きを置いている。Snapchatのユーザー・インターフェースは他のSNSとは一線を画しているため、はじめはとっつきにくく、少しは慣れが必要かもしれない。 しかし、ほんの少し使ってみるとわかるのだが、Snapchatには6つの画面しかない。これは数あるSNSの中で、最もシンプルでわかりやすいSNSアプリのひとつと言える。

Snapchatのアプリ画面:中央の撮影画面を起点に上下左右にスワイプするとそれぞれの画面に遷移する。

Snapchatのアプリ画面:中央の撮影画面を起点に上下左右にスワイプするとそれぞれの画面に遷移する。

誤解5 しばらくは傍観して将来性を見極めた方が良い

Snapchatの将来性は不透明だ。でも、それはFacebookやTwitterをはじめとした、どんなSNSでも言えること。 実際、大手SNSはすべて15年前には存在すらしていなかったし、そもそもインターネットもここ20年で主流になったに過ぎない。 インターネットが、近年これほどまでに自分たちの生活に影響するようになったことを考えると、「スピード感」や「時代に応じて適応すること」さらに「革新的であること」が、極めて重要な価値を持っていて、そのような時代に自分たちが生きていることを、まずは受け入れなければならない。「とりあえず様子をみてみよう」と思っている間に、別の新しいものが台頭し、業界を大きく変えてしまうのが世の常だ。

Snapchatは、毎日利用する人が世界中で1億5000万人。投稿動画1日に100億本以上。今なお、急激に増え続けている。 さらに、160億ドル以上という会社評価額を投資家から得たことに加え、シリコンバレーと日本大手企業が出資するファンド「ジオデシック・キャピタル社」の投資を受けたことで、今、日本でも機能どんどん拡張されている。 もはや、Snapchatは日本で「バズるのか?」と疑うフェーズではなく、「バズるのは時間の問題」というフェーズに変わった。そして「バズる」時は日に日に近付いている。 企業がSnapchatを熟知し活用することは、今こそ、自社のSNS戦略に多大な利益をもたらす絶好のチャンスと言える。 目の前に宝の山があるのに、それをみすみす見逃す必要がどこにあるだろうか?

地域の位置情報毎に使える「ジオフィルター」:東京の一例

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via TAM
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