翻訳:尾上彩子
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これほど話題になっているにもかかわらず、多くのブランドはインフルエンサーマーケティングを利用してこなかった。代わりにSEMやソーシャルメディア広告、広告バナーを用いたリターゲティングのような戦略に頼ることを選んでいる。それはそれでけっこうなことだが、しかし研究ではインフルエンサーマーケティングもビジネスに巨大な利益をもたらす可能性が示されているのだ。

Econsultancy の「インフルエンサーの声」 (The Voice of the Influencer) というリポートによれば、インフルエンサーマーケティング戦略は、ビジネスにおいて他の戦略よりもずっと大きな金額の利益をもたらすという。

Econsultancy の「インフルエンサーの声」 (The Voice of the Influencer) というリポートによれば、インフルエンサーマーケティング戦略は、ビジネスにおいて他の戦略よりもずっと大きな金額の利益をもたらすという。

では、どうすればこの戦略を効果的に用いることができるのか。

1. インフルエンサーとは何なのかを理解すること。

インフルエンサーは、単純にフォロワーの多い人物を指すのではない。何といってもフォロワーはお金で買うことが出来るし、実際に多くのユーザーがそうやってフォロワー数を水増ししている。あるInstagramユーザーに2万4000人のフォロワーがおり、1ポストごとに平均で260の「いいね!」がつくとしよう。これではエンゲージメント率はたったの1.3%にしかならない。このユーザーが勧めたコンテンツに実際に興味を持つ人の数も、さほど多くはならいだろう。

たとえフォロワーをお金で買っていなかったとしても、単に人気があるだけのアカウントということもある。かわいい女の子がファッション関係の投稿をしていれば、継続的にエンゲージメントするファンが山のようにつくだろう。だが、もし売り込みたい製品がアイライナーなのに、彼女のフォロワーの多くが男性で、彼女が可愛いからという理由で「いいね!」を付けているとすれば、おそらく彼女はこのアイライナーの購買を促すインフルエンサーにはなれない。つまり、インフルエンサーかどうかはそのユーザーのフォロワー数で決まるのではなく、フォロワーがユーザーの投稿に価値を見出して真剣に耳を傾けているのかどうかで決まるのだ。

 

2. 目的に合ったインフルエンサーを見つけ出し、コミュニケーションを取ること。

自社のブランドのために働いてくれるインフルエンサーの発掘には時間がかかる。インフルエンサーマーケティングが大きな利点があるにもかかわらずあまり利用されないのは、そのせいでもある。検討する必要があるのは、インフルエンサーとなる人物のフォロワーはどういう人々なのか、普段から投稿しているコンテンツは自社のブランドイメージに合うものか、もし競合する他のブランドと仕事をしているなら、それを頻繁に宣伝しているかどうか、といったことだ。例えばもし時計を売るのが目的ならば、もっとも影響力のあるインフルエンサーはファッション系の人々ではなく、それぞれの業界で発言力があり、ブランドとの繋がりをそれとなく示すことが出来る人々なのかもしれないということも、頭に入れておくといいだろう。

理想的なインフルエンサーが見つかったら、ビジネス上の目的を充分に伝え、それが彼ら自身のブランディングに合致するかどうかを判断してもらってから契約を結ぶ必要がある。このあたりは、日本の企業が海外のインフルエンサーと仕事をする時に軽んじてしまいがちな部分だ。

シンガポールのInstagramで活動するインフルエンサー、Yafiq Yusmanと共に。シンガポールのクライアントの案件で、共に働き良い関係を築くことができた。

シンガポールのInstagramで活動するインフルエンサー、Yafiq Yusmanと共に。シンガポールのクライアントの案件で、共に働き良い関係を築くことができた。

 

3. インフルエンサーを尊重する (重要!)。

多くの企業、特に日本企業の場合、これまでは細かいところまですべて企業側でコントロールするのが普通だった。こうした企業はSNS出身のスターがやることをまっとうなビジネスとは考えていないのかもしれない。だがマーケットは移り変わり、今やこれら個人の活動も立派なビジネスとなった。自社のブランドをインフルエンサーのフォロワーに売り込みたいなら、それはTV番組の視聴者に向けたアピールをするときと、本質的には何も変わらないのだということを意識する必要がある。企業がインフルエンサーを活用して、フォロワーへアクセスするということは、インフルエンサーとの契約であるということだ。企業は、インフルエンサーに、相応の報酬を支払う必要があるのだ。

もう一つ重要なのは、自社の狙いを明確に伝えておく一方で、実際のアウトプットはインフルエンサーの手に委ねなければならないということだ。自分のフォロワーがどういう人々で、何を見たがっているのか、インフルエンサーは企業よりも熟知している。普段と違うことをすればすぐに宣伝だと嗅ぎつけられてしまい、キャンペーンの効果は激減してしまう。

Micaela Braithwaiteは九州を拠点に活動するカナダ人のYoutube投稿者 (vlogger)で、このチャンネルだけで約27万5000人のフォロワーがいる。以下の動画では、彼女がインフルエンサーとして日本のメディア企業と仕事をするのが難しい理由を語っている。企業側から見下されたり、フォロワーへのアクセスを開いたことに対して正当な報酬が支払われなかったり、自身のブランディングとは異なるまったく架空の人物に自分の名前と顔が利用されたりと、問題はさまざまだ。(日本語字幕オプションがあり)

また、インフルエンサーは他のインフルエンサーたちのサークルに属しているということも覚えておく必要がある。彼らは協力しあい、互いのプロモーションに力を貸したり情報を共有したりする。「Who Pay$ Influencers?」のようなサイトでは、自分の受けた仕事に対してインフルエンサーがどのような話をしているかを垣間見ることが出来る。インフルエンサーを尊重することで、長期的なコラボレーションの可能性をひらくことが出来るのだ。


via TAM
私たちは、広く世界に向けてクライアントの企業ブランドが構築されるよう全面的にサポートします

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